デフラクションホーン製作例

これまでに製作したデフラクションホーンの中から,いくつかを紹介します。

「使用帯域」「使用ドライバ」「外形寸法」等,お客様のご希望に添った形でフラクション型ウッドホーンを実現しております。 従いまして,ウッドホーン導入予定のお客様は「直ちに注文」ではなく,まず「ご要求内容を相談」と言う形でお問い合わせください。 「新規に設計」となりましても,価格は既製作のものと変わりなくお受けいたします。 価格は加工部分の多少に比例しますので,問い合わせ前に目安とされるのであれば,これまで製作したものの価格をご参照ください。

全て受注生産品ですから,品種や時期にもよりますが納期1〜3ヶ月を頂くことをご了解ください。 お問い合わせは,下記「問い合わせ」マークをクリックしてください。 メールフォームが立ち上がりますので,ご要望を記入して送信をお願い致します。

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中高音用デフラクションホーン
*** 1インチ500Hzデフラクションホーン ***

●形状: 90度5分割木製デフラクションホーン(係数0.7のハイパボリック型)
●適合ドライバ: 1インチ3穴又は2穴
●カットオフ周波数: 500Hz
●推奨クロスオーバー: 1000Hz(12dB/oct),850Hz(18dB/oct),750Hz(24dB/oct)
●使用木材料: ラワン合板,チーク,耐水航空合板
●外形寸法・質量: 390mm(幅)×115mm(高)×265(奥) 約2.8kg(1本)
●価格: 100,000円(2本一組)

1インチホーンとしては,カットオフ450Hz又は480Hzのものが多く存在しますが,このホーンはカットオフを500Hzにおさえ,その分コンパクトにまとめたものとなっています。 25〜30cmウーファーと組み合わせての2wayシステムに最適です。 でも,余裕があれば6000〜8000Hz以上を専用のツィータに受け持たせると,よりクリアな音が得られると思います。 色は「メープル」で仕上げました。 「メープル」のような明るい色のほうが,仕上がりがきれいに見えます。 世間では,生地仕上げの場合ほとんどが明るい色ですよね。

> 外観写真と解説
> 周波数特性例
*** 1インチ500Hzデフラクションホーン ***

●形状: 90度5分割木製デフラクションホーン(係数0.7のハイパボリック型)
●適合ドライバ: 1インチ3穴又は2穴
●カットオフ周波数: 500Hz
●推奨クロスオーバー: 1000Hz(12dB/oct),850Hz(18dB/oct),750Hz(24dB/oct)
●使用木材料: アカマツ集成材,チーク,耐水航空合板
●外形寸法・質量: 約40cm(幅)×12cm(高)×27c(奥) 約2kg(1本)
●価格: 110,000円(2本一組)

アカマツ集成材によるデフラクションホーンです。 アカマツは柔らかく,制振性に優れているようです。 音は柔らかく静かな方向で,クラシック向きかも知れません。 また,軽いためホーンのひさし部分内部に制振を兼ねてウェイトを組み込んでいます。 色は「ウォールナット」で仕上げました。

> 外観写真と解説
> 周波数特性例
*** 1インチ500Hzデフラクションホーン ***

●形状: 90度5分割木製デフラクションホーン(係数0.7のハイパボリック型)
●適合ドライバ: 1インチ3穴又は2穴
●カットオフ周波数: 500Hz
●推奨クロスオーバー: 1000Hz(12dB/oct),850Hz(18dB/oct),750Hz(24dB/oct)
●使用木材料: フィンランドバーチ合板,チーク
●外形寸法・質量: 約39cm(幅)×13cm(高)×26c(奥) 約4.3kg(1本)
●価格: 150,000円(2本一組)

フィンランドバーチ(ホワイトバーチ)合板によるデフラクションホーンです。 フィンランドバーチは,硬く重量があるためホーンには適していると言う評判です。 音は,明快で艶があり(うるさくは無い)分離の良い感じがします。 また,制振のためホーンのひさし部分内部にウェイトを組み込んでいます。 色は「メープル」で仕上げました。

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> 周波数特性例
*** 1インチ750Hzデフラクションホーン ***

●形状: 90度5分割木製デフラクションホーン(係数0.7のハイパボリック型)
●適合ドライバ: 1インチ2穴
●カットオフ周波数: 750Hz
●推奨クロス: 1500Hz(12dB/oct),1250Hz(18dB/oct),1000Hz(24dB/oct)
●使用木材料: ラワン合板,チーク
●外形寸法・質量: 230mm(幅)×100mm(高)×150(奥) 約570g(1本)
●価格: 50,000円(2本一組)

4wayを構成する場合の中高音用(mid-high)専用の小型デフラクションホーンです。 取り付け穴はアルティックタイプの2穴ですのでご注意ください。 このホーンのみで高域まで受け持たせてもよろしいのですが,8000〜10000Hz以上を良質の専用ツィータに受け持たせると,よりリアルな音が得られると思います。 なお,応用として16〜20cmウーファーと組み合わせての2wayシステムも(寸法的にもマッチして)面白いと思います。 小型で軽いので,鉛を抱かせるなどドライバ側の制振をしっかり行ってください。 色は「メープル」で仕上げました。

> 周波数特性例
*** 1インチ750Hzデフラクションホーン ***

●形状: 90度5分割木製デフラクションホーン(係数0.7のハイパボリック型)
●適合ドライバ: 1インチ3穴
●カットオフ周波数: 750Hz
●推奨クロス: 1500Hz(12dB/oct),1250Hz(18dB/oct),1000Hz(24dB/oct)
●使用木材料: ラワン合板,チーク
●外形寸法・質量: 230mm(幅)×100mm(高)×150(奥) 約570g(1本)
●価格: 60,000円(2本一組)

4wayを構成する場合の中高音用(mid-high)専用の小型デフラクションホーンです。 取り付け穴は通常の3穴です。 このホーンのみで高域まで受け持たせてもよろしいのですが,8000〜10000Hz以上を良質の専用ツィータに受け持たせると,よりリアルな音が得られると思います。 なお,応用として16〜20cmウーファーと組み合わせての2wayシステムも(寸法的にもマッチして)面白いと思います。 小型で軽いので,鉛を抱かせるなどドライバ側の制振をしっかり行ってください。 色は希望が多い「ウォールナット」です。

> 外観写真と解説
> 周波数特性例
*** 1インチ750Hzデフラクションホーン ***

●形状: 90度5分割木製デフラクションホーン(係数0.7のハイパボリック型)
●適合ドライバ: 1インチ2穴/3穴
●カットオフ周波数: 750Hz
●推奨クロス: 1500Hz(12dB/oct),1250Hz(18dB/oct),1000Hz(24dB/oct)
●使用木材料: アカマツ集成材,チーク
●外形寸法・質量: 約23cmm(幅)×約10cm(高)×約15cm(奥) 約600g(1本)
●価格: 70,000円(2本一組)

4wayを構成する場合の中高音用(mid-high)専用の小型デフラクションホーンです。 取り付け穴は2穴及び3穴に対応しています。 アカマツは軽いので,制振のためにひさし内部にウェイトを組み込んでいます。 色は「ウォールナット」です。

> 外観写真と解説
> 周波数特性例
中低音用デフラクションホーン
*** 2インチ300Hzデフラクションホーン ***

●形状: 90度5分割木製デフラクションホーン(係数0.7のハイパボリック型)
●適合ドライバ: 2インチ
●カットオフ周波数: 300Hz
●推奨クロスオーバー: 600Hz(12dB/oct),500Hz(18dB/oct),400Hz(24dB/oct)
●使用木材料: ラワン合板,チーク
●外形寸法・質量: 615mm(幅)×235mm(高)×425(奥) 約12.5kg(1本)
●価格: 300,000円(2本一組)

2インチスロートの中音用のデフラクションホーンです。 38cmウーファーと組み合わせての2wayでもよろしいのですが,5000Hz以上を専用のツィータに受け持たせた方がより良い音質を得られると思います。 色はあまり希望が無い「オーク」で仕上げました。個人的には好きな色です。

> 周波数特性例
*** 2インチ400Hzデフラクションホーン ***

●形状: 90度5分割木製デフラクションホーン(係数0.7のハイパボリック型)
●適合ドライバ: 2インチ
●カットオフ周波数: 400Hz
●推奨クロスオーバー: 800Hz(12dB/oct),750Hz(18dB/oct),700Hz(24dB/oct)
●使用木材料: フィンランドバーチ合板,チーク
●外形寸法・質量: 41cm(幅)×16.5cm(高)×26cm(奥) 約14kg(1本)
●価格: 250,000円(2本一組)

2インチスロートの中音用のデフラクションホーンです。 38cmウーファーと組み合わせての2wayでもよろしいのですが,5000Hz以上を専用のツィータに受け持たせた方がより良い音質を得られると思います。 色はあまり希望が無い「オーク」で仕上げました。個人的には好きな色です。

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> 周波数特性例
その他の作品
*** GOTO→1インチ3穴アダプタ ***

●適合ドライバ: 1インチ3穴
●カットオフ周波数: 500Hzの双曲線ホーンに適合
●使用木材料: チーク
●価格: 20,000円(2本一組)但し金属部分を含まず

スロート径19mmのゴトー・ユニットを1インチスロート3穴を持つホーンに接続するためのアダプタです。 ゴトー・ユニットは,基本的には専用ホーンの接続が前提ですが,人によっては「高音の指向性がやや鋭い」と言う不満もあるようです。 このように感じる方は,指向性の良いデフラクションホーンとの接続に興味を持つのですが,そのままではつながりません。 このアダプタは,そのようなお客様のご希望を受けて製作したものであり,当工房のウッドホーンのみでなく通常の1インチ3穴仕様のホーンにも使用できます。 なお,金属部分はお客様支給でしたので,当工房で製作したものは木製部分のみです。 金属アダプタ部分につきましては,メーカーにご相談ください。

> 外観写真と解説

共通仕様および注意事項

○ 価格は税込み,日本国内への送料込みとなっています。
○ 推奨クロス周波数は,通常市販のホーンよりやや高めになっています。
  表示より低いクロスでも使用できる場合がありますので,システムとご相談の上お試しください。
○ 仕上がり寸法はそのとき使用する材料によって変わります。
○ 美術工芸品の仕上がりではありません。ご了解ください。
○ 標準の量産品ではありませんので,専用箱はありません。

2インチドライバはもとよりですが,優秀な1インチドライバでも超高域まで受け持たせるよりは,専用のツィータを付加したほうが一般には良好な結果が得られます。 但し,デバイディング・ネットワークの質が悪ければ逆効果となる場合もありますのでご注意ください。 これは,どのようなホーンを使用する場合にも言えることです。 優秀なドライバを使用する場合には,ハイカットせずスーパーツィータを付加するだけの方法で,手軽で失敗の少ない結果を得られることが多くあります。

使用材料について

材料は集成材合板を使用しております。 ラワン合板シナ合板は加工性が悪いためあまり使用したくありません。 今後は集成材フィンランドバーチ(ホワイトバーチ)などを中心に,その時入手可能な材料を使っていきたいと思っております。 もちろん,ご希望を寄せていただいて結構です。 可能な限り対応いたします。 なお,集成材の場合でも木目方向を交互に重ね「経年変化」に耐えるような構造を採っています。 精度を要する「スロートアダプタ」や「フィン」の材料は,木目が均一に近く,仕上がり精度が期待できるチークを中心に今後も使用するつもりです。

材料によって音が違うと言うことは(体感してと言うより知識として)良く知られておりますが,ホーンに仕上げた場合どのように違ってくるかの報告がほとんどありません。 「XXを使用したので音がよい」と言う表現も良く見られますが,比較対象が無く,また何をもって良いと決めているのかその基準もわからないものが多数ありますね。 「たいして違いは無い!」と言う人もいるようですが,やはり違いはあると思います。
■「重い材料」はドライバにおもりを抱かせたような効果がありますが,ホーン自体におもりの効果を求める事が正しいことかどうかはわかりません。
■「硬い材料」は明るい音が期待でるでしょう。但し,ホーンを叩いて「カンカン」と響くようでは困ります。
■「柔らかい材料」はおとなしい音が期待できます。デッドニングした時のように,高域を吸収するからでしょうか。「高域に輝きが少ない」と感じる人もいるでしょうが,私は好きです。
■「ホーン鳴きを抑える」ひとつの手段として,「内部におもりを組み込む」ことも出来ます。ご相談ください。

材料は,音の好みによって選ぶことが究極の選択となるのでしょうが,いくつも同じウッドホーンを作って比較するほど「お金」と「暇」のある人は珍しいでしょう。 難しいものです。
フィン鳴きについて

「フィン鳴き」という言葉があるようですが,私には何のことか良くわからないのであります。 デフラクションホーンのフィンの部分に息を吹きかけると,かなり大きな雑音がしますので,その事なのでしょうか。 これは流体力学的に考えれば,息による風がフィンで切られ,そのためカルマン渦が発生して生じる音であり,ドライバから発生する音程度ではカルマン渦ができるパワーも無く,現実には起こらない音なのです。 ドライバからの音圧が直接フィンを共振させることも無いのではないかと思います。 空気の振動が木片を短時間に共振させるほどのパワーがあるとは思えません。 空気と木材の密度の違いが大きすぎるからです。 フィン端面の共振周波数と全く同じ音の連続波がフィンを共振させることはあるでしょうが,現実の使い方としてそのような条件は無いのではないかと思います。

怖いのは「ドライバからホーンへ直接伝わる振動」です。 そのような振動がホーンを共振させることは日常茶飯事,むしろそのような影響が無いことのほうが極めて稀でしょう。 逆に言えば,ドライバが正しく制振されていれば,どんな材料で作られたホーンでも「さして変わりが無い音」が得られるのかもしれません。 材料によって「たいして違いは無い!」と言う人の言い分もわかるような気がします。