中高音用「ウッドホーン」

1インチドライバ用カットオフ500Hzのデフラクション・ウッドホーンです。

この種のホーンのカットオフは,450Hz〜480Hzが一般的ですが,カットオフを500Hzとすることによりかなりコンパクトにすることができます。 もっとも,多くのホーンはその周波数特性をカタログ上に公表しておりませんので,その実力のほどは使ってみないと良くわかりません。 でも,カットオフ周波数をカタログ上に明記してあるものはまだ良いでしょう。
カットオフ450Hzと500Hzとは,実用上大きな差があるとは言えないと思います。 要は,良質のウーファーを使用することで問題を無くすことが可能です。
1インチ・ドライバの場合,あまり低域まで動作させると振幅が大きくなり,音質も低下します。 もちろん音圧は問題なく得られるでしょうが,非直線歪や混変調歪の影響による音質低下は避けられません。
どのようなスピーカユニットでも言えることですが,「軽く使う」事が良い結果を生むことになります。 1インチドライバの場合,700Hzカットはやや苦しく,800Hz〜1kHzカットならまあまあ。 それ以上で切れば良好な音質が得られるようです。
但し,これは音量にも関係し,大きな音を求めなければカットオフを少し低くしてもよろしいかと思います。 また,ホーンの場合効率が良いので,使用アンプは良質で利得(ゲイン)が低いもの(「出力が低いもの」とは違います)が望まれます。 利得が低い方が,残留雑音の影響を低く抑えることができる,という有利な点があるからです。
このウッドホーンの主要材料はラワンの合板ですが,フィンとスロートアダプタには工作精度を期待できるチーク材を使用しています。 なお,スロートアダプタもハイパボリック・カーブで口径が広がるように製作されています。
塗装はつや消しのニス仕上げ。 ニスは,信頼性の高い油性のものを使用しています。 水性ニスは使用しておりません。