海 洋 小 説 や 映 画 な ど
水兵上がりの艦長!!
「海の覇者/トマス・キッド・シリーズ」現状5巻まで読破
(ハヤカワ文庫)

2009-05-18
エリート艦長とは一味も二味も違う「成り上がり艦長」の物語。 強制徴募で水兵となった主人公「トマス・キッド」は,彼が順次出世していくので,水兵,下士官,士官それぞれの立場での仕事と描写が面白い。 特に初期の水兵時代の生活描写は,他のシリーズには無い新鮮さがある。
型破り!?海洋帆船冒険小説
「海の暴れん坊/オークショット・シリーズ」現状2巻まで読破
(ハヤカワ文庫)

2009-05-18
シリーズ1「ツーロンの砲声」とシリーズ2「ナイルの密約」を読んだ。 エリート艦長とは異なる,痛快な主人公が織りなす物語には,ただただ引き込まれる。
娯楽大作!?海洋帆船冒険小説
「艦長アダム・ホーン・シリーズ」3巻
(ハヤカワ文庫)

2009-05-18
イギリス海軍ではなく「東インド会社」所属の警備隊の物語。 軍に所属しているわけではないので,その自由な行動が魅力である。 このまま映画にしても実に面白い冒険ものができそうだ。 その代わり,帆船に関しての記述は少なく,少し「苦しいかな?」と思う点も無いではない。 一気に3冊を読破できる。
謎解き!?海洋帆船冒険小説
「アラン,海へゆく」現状7巻まで
(徳間文庫)

2005-09-21
海が好きなわけではないのに軍艦に送り込まれた若者のデューイ・ラムディン著の冒険小説。 見習士官(士官候補生)から始まって,7巻までには海尉になった。 見習士官時代の下々の艦内生活(候補生の役割が良く分かる)が興味深い。 ラミジやホーンブロワーなどの優等生とはかなり違って下品な感じもするが,こちらの方が現実の船乗りに近いのかも知れない。 なお,著者はアメリカ人ではあるが英国側から見た形で書かれている。 独立戦争あたりのアメリカの描写も面白い。 原本はまだ続いているようなので,訳本出版の続行が望まれる。
定番!海洋帆船冒険小説
「海の男/ホーンブロワー・シリーズ」全10巻
(ハヤカワ文庫)

2005-08-23
かつて,ある海運会社の工務監督さんから「これを読んでいなければ帆船好きとは言えない」と言い渡されたもの。 確かにその通り。 帆船冒険小説の定番として認められているこのシリーズは,「ラミジ艦長物語」と違って士官候補生から提督までの長い道のりを描いている。 当時の海軍の全体像をつかみ,しかも帆船の装備や操船を知るにはなかなか良い読み物だ。 中には陸上での生活や戦闘も多く含まれているが,「ラミジ艦長物語」のように「敵船拿捕中心」というワンパターンで無いところが,変化に富む面白さを演出している(ラミジ艦長も「スパイ戦」という陸上での特異な題材があったっけ?)。 このお勧めのシリーズは,最近活字を大きくして順次再刊しているらしい。
痛快!海洋帆船冒険小説
「ラミジ艦長物語」全23巻
(至誠堂)

2005-07-12
英国ダドリ・ポープ著の「ラミジ艦長物語」は,全23冊とかなりの長編ではあるが,ほぼ各巻毎に完結しているのでつまみ食いでも何とかなるだろう(必要部分には過去の解説が挿入されている)。 しかし,流れは1巻から23巻まではっきりと続いているので,できれば1巻から順に読んだほうが楽かもしれない。 時は,「ホーンブロワー」とほぼ同時代。 ホーンブロワーの名前もチラッと登場するのが面白い。
小説としてはかなり読み易い方に属し,登場人物の入れ換えも少ないので,記憶力に自信の無い私としては有難い。 本小説の特徴は,日常の艦上生活描写にあり,艦長・士官・下士官・海兵隊・水兵がそれぞれどのような事を考え,どのような作業をこなしていくかが分かりやすく表現されている。 のみならず,艦の扱いや儀装,塗装や調度品に至までの解説も帆船模型好きには参考になろう。 「ボムケッチ」の描写も細部に渡り,このあまり馴染みの無い艦を見直すきっかけともなるだろう。 あまりに優秀なラミジ艦長に戸惑いもあるが(彼に比べオーブリーはより人間的だ!),全てうまく行くその筋書きは「水戸黄門」のように安心して読み進められるものである。 この種の小説で最初に読むものとしては,なかなか分かりやすくて良いと思った。
映画「マスター・アンド・コマンダー」
2005-05-05
パトリック・オブライアン原作の「英国海軍の雄ジャック・オーブリー」シリーズ中の「南太平洋,波瀾の追撃戦」の映画化。 映画として致し方ないところであるが,ここでも原作と異なる点が多い。 「マスター・アンド・コマンダー」とは,正規艦長になる前の段階であって,航海長兼任の小型艦艦長を指す。 ここでのオーブリー艦長は,すでにフリゲート艦の正規艦長だ。 すなわち「マスター・アンド・コマンダー」ではありえない。 捕鯨船に仮装したフリゲートを,敵艦が見破れないことも奇妙ではあるが,映画でそんな事を言うのも野暮であろう。 是非見ていただきたい点は,セットの凄さ。 「パイレーツ・オブ・カリビアン」の貧弱な大道具に比べ,ここでは本格的なフリゲートを使用している。 DVDには,メイキングも含まれているので,こちらもお勧め。 何かと勉強になること請け合いです。
ホーンブロワー・TVシリーズ
2005-01-23
2005年のお正月早々に,NHK-BSで「ホーンブロワー/海の勇者」シリーズの再放送がありました。 ご覧になられた方も多いのではないでしょうか。 原作は,セシル・スコット・フォレスターの同シリーズで,10作ある内の最初3作ほどのTVシリーズです。 原作とはかなり異なる展開の所もありますが,なかなか楽しめます。 DVDも発売されていますので,まだの方はご覧になってみては如何でしょうか。 帆船がたくさん出てきます。