ボートを作ろう(中型編)

ここでは少し大きなボート,寸法にして全長15cm程度,縮尺にして1/50程度のものを自作してみることにします。

まだこの大きさだと,本に書いてあるような「キールとフレームを組んだ本格的なもの」は出来ない事は無いが難しく,大変な割には見栄えが変わらない,と言った所でしょう。

以下に「小型編」で紹介したものよりやや高度な艇の作り方を紹介します。 今回も,得意な「いい加減作り」です。

小型編と同様に,キールは3つの部品から成ります。 1mm厚程度の合板を切り抜くと良いでしょう。
この大きさではスケールを考えるとフレームが極端に薄くなってしまい「フレームを組む」事がまだ難しいので,ダミーを作り,それを拠り所に外板を張ることにします。 上が艇のダミーで,キールがはまるようにバルサ材で作ってあります。 溝の部分は,切り抜いた合板を3枚貼り合わせるとピッタリします。
キール部分に,艇尾を貼り付けました。
キールをダミーにはめ込んで,1番上の外板(0.5mm厚4mm幅)をまず1枚張り込みました。 外板は,カーブに沿ってよく形を付けておく事。 そうしないと,ダミーから外したときにまるーくなってしまいます。 接着は,艇首と艇尾部分のみ。 あたりまえの話ですが,ダミーに接着しないで下さい。
ダミーから外してみた所。 後は0.5mm厚3mmの外板を張り込み(下張り),更にその上から0.5mm厚3mmの外板で仕上げます。
2重張りするわけですが,下張りの最初の1枚だけ4mmなのは,上張りを1mmずつずらして張り込むためです。
0.5mm厚1mm幅程度の板を曲げ,フレームとして内側に張り付けます。 本当はもっと沢山,もっと細い板で張り込めればよろしいのですが,手間の割には効果が薄いのでこの程度であきらめます。 少し曲がっているところもありますが,どうせほとんど見えなくなってしまいますから気にしません。 神経質を楽しむのなら別ですが,「いい加減作り」の方が楽しいはずです。 出来上がりも,素人目には変わりありません。 必要ならマストを立てる穴も作りこみます。
後は,キットと同じように仕上げ。 よろい張りはよほど上手く作らぬと,かえって見掛けが悪くなるのでお勧めしません (「手を抜いたよろい張り」のテクニックも,機会があれば紹介したいと思っています)。 青い部分は,1mmの板を後から貼り付けたもの。
前方から見たところ。 中央の構造物は,ウィンドラス。 ここまで製作時間は,型製作も含めておよそ15時間。 2日で完成しますので,皆様も如何。
船体への取り付けは,必ずリギングを終えてから。
マストが邪魔ですが,前から見たところ。 この程度の「いい加減作り」でも充分鑑賞に堪えると思います。 でも,ボート単体の作品として見たときには,「作品価値」は無いでしょう。