ボートを作ろう(小型編)

組立キットの削り出しのボートに不満を持つ方は,意外に多いのではないでしょうか。 「それらしく」するためにその上からプランキングを試み,肉厚を薄くするために内側を削る,などと解説書には書いてありますが現実的ではないと思います。 と言うのは,内側を上手く薄く削ることが大変に根気が必要で手間がかかるためです。

また,他の解説書には本体と同様にキールやフレームを組み立ててプランキングする方法も示されておりますが,1/10や1/20の大縮尺のものならいざ知らず,1/100程度の小縮尺となればフレーム厚が薄くなり実現困難となってしまいます。

そんな訳で,どうせ大変であればキット付属のものをあきらめて「完全自作」してしまうことをお勧めします。 以下に5−6cmほどの小型ボートの,ちょっといい加減な作り方を紹介します。

先ずは,0.8から1.0mm厚の合板でキール部分を切り出します。 同じように合板でキールの艇内側だけ1から1.5mm幅で厚くします。 これはプランキングの際の手がかりとするためです。 写真では,これに船尾の部分を貼り付け,更に1本目の外板を張った所です。
1枚目の外板は,このように張ります。 この段階で,艇の幅が決まります。 なお,艇の寸法は適当でかまわないと思います。 スケール通り作っても,大変な割には出来上がりに変わりはありません。
0.5から1.0mm幅の板を曲げ,中央部にフレームを張り付けます。 1円玉で,おおよその大きさがわかると思います。
フレームを何枚か張った所です。 本当はもっと細いものを,もっと沢山張るべきなのですが,大変な割には効果が少ないのでこの程度にしておきます。
横から見るとこんな感じです。
さて,このフレームを頼りに,外板を張り続けます。 この場合の外板は,0.5mm厚の2mm幅程度のクルミです。
上から見たところ。
全部張り込んだら,彩色。 なお,よろい張りはこのスケールでは重なりすぎになり,大変な割には見かけが良くないので「平張り」とします。 平張りでも,なんとなく「らしく」見えると思います。
何となく手摺りを付けてしまいましたが,無くて困らない場合には無い方が現実的でしょう。
完成したら,こんな具合に組み立てて,必ず本体のリギングが終わってから甲板に取り付けると良いでしょう。 うれしくなって,リギング前に貼り付けてしまうと,リギング時に邪魔になり泣くことになってしまいます。 ここまで1日かからなかったと記憶しています。 皆様も,余った材料で是非一度お試しください。