ル・クルール(1/96模型)試作
LE COUREUR(1776)

本模型船は,フランスで入手した図面をもとに試作したもの。 主たる目的は、木材以外で使用できる可能性を確かめること。 なお、素材以外は全部手作り(スクラッチビルド)。

帆船模型の世界では「材料は木材と金属」という暗黙のルールがあり、特にプラスチックは(理由は分からないが)毛嫌いされているのが現状。 プラモデル(ヒコーキや艦船)の世界では、帆船模型の世界よりはるかに精巧な加工が一般化されており、出来上がりの完成度は帆船模型より高い。 更に、鉄道模型では「使える素材は全て使う」方向にあり、こちらも帆船模型の世界より完成度が高い。

本船模型は、プラモデルや鉄道模型の精巧さを学べば、小スケールでも完成度の高い作品が出来るであろう事を確かめるためのものです。 スケールは一般には1/48ですが、1/96でどこまで追い込めるかを試しました。 使用した素材は、木、プラスチック、ケント紙、MDF、糸、真鍮線、真鍮パイプ、布、が主なものです。

本船の細かい所を確かめようと、インターネットで画像検索してみましたが、なかなか参考となるものが見つからず苦労しました。

2021.03.31

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1/96と言うとこの程度の大きさになります。 全長は約45cm。 小さく可愛く、卓上に置いても場所を取りません。

画像はかなり拡大できますが、その場合ゴミ埃も写っていますので、それは見なかったことにして下さい。
展帆するのはあまり好きではありませんが(構造物が見えにくくなるため)、本船の場合帆を張らないと形になりません。
アンカーは自作。自作なら思う通りの形が作れます。
本船の船尾は、かなり省略された形の模型が多いのですが、ここもどれだけ細かく作り込めるかを試してみました。 窓枠は、木で作る(0.5mm角が限度)のではこれほど細くきれいに仕上げられません。 ケント紙の切り出しに塗装です。 船尾は一円玉2個並べたほどの幅です。 船尾形状は少々失敗のところがあります。 次回の課題です。
外板は鱗張りですが、今一つスッキリしません。 今後の課題でしょう。
ボートや大砲も自作。 アンカーと同じく、思う通りの形に仕上げられます。 結構いい加減なボートですが、単体の作品でなければこの程度でも充分かと思っています。
ポンプは、木の角材からの削り出し。
ブロックは木製の自作。

船尾はわずかにカーブを付けています。 カーブを付けず、平坦な感じの模型が主流ですが、わずかでもカーブを付けると「いい感じ!」になります。
船尾装飾は、模型では一般に金属が使用されますが、実船では金属ではなく木製の彫刻に塗装です。 金属で再現する必要は全くありません。 ここでは、ケント紙を切り出し塗装しました。

なお、各画像はかなり(ボロが見えるほど)拡大できますので、興味のある方は拡大し細部まで見て参考として下さい。

一応、試作の目的は果たせましたので、次は本番に取りかかりたいと思っています。