英国海軍武装運搬船「バウンティ」

本船は,植民地の食糧問題を解決するため,パンの木苗をタヒチから西インドに移植する任務の途中に叛乱があったことで有名。 「バウンティ号の叛乱」を読んだ方も多いと思う。 パンの木の実は食用となるので,奴隷労働者に対し現地で収穫できる安い食料を提供する目的であった。

「バウンティ」は,一部では「戦艦」という表現をしているものもありますが,正しくは戦艦ではなく18世紀後期の軍の輸送艦。
もともとは「ベシア」という名前の船でしたが,英国海軍がこれを買い上げ,「バウンティ」と船名が変わった。 両者には,外観上多少の違いがある。

船首側から。
ボートが1つしか見えないが,本当は2つ搭載されている。 製作をサボッた,と言うのが本当の理由。 当時の帆船にとってのボートは,救命用と言うより日常作業用であったので,この程度の船舶になると1艘だけという事は無い。
アンカーは,木製。 黒く塗装してしまえば,金属のように見えて来る。 「アンカーは金属」と言う思い込みによる錯覚のためでしょう。
ヘッドレールは目立つところなので,溝を切りその溝を塗装。 こうしないと「のっぺり」した感じに仕上がってしまうので。
ウインドラス等にくっついているクリートは,木製。 ロープを巻くと力がかかるので,1mm位埋め込んである。
デッドアイは市販のもの。 ちょっと大きすぎる。 希望の寸法に拘るのなら,自作しかない。
ビレイピンも市販品だが,気に入らない。 これらの部品も,安定に自作できる技術を身に付ける必要があると感じた。
手摺りも溝を切り,溝を赤色で埋めた。 この辺りも,1枚板そのままだと「のっぺらぼう」に見えてしまう。
ブルワーク内側も,できるだけ図面に近く製作したつもり。 舷側の窓のガラスは,薄いプラバン。
船尾。
ランタンにもガラス(プラバン)を入れたかったのだが,小さくてちょっと無理。 だから,吹き抜けである。 船尾の装飾も,も少し気を入れて彫り上げればよかった。 材質は柘植。
船尾側から見たマスト。
ブロックやクローズドハートは希望の寸法のものが売られていないので,全て自作。 購入品でも同じだが,数が多いので仕上げが大変。
マスト,ヤードの材料は,全てラミン。 綺麗とは言い難いが,やわらかすぎず狂いが少ないので気に入っている。
舵輪は希望の寸法のものが見当たらず,自作。 売っているものは,どれもこれもズングリしていてスマートさに欠ける。 架台(船台)は,全くシンプルなもの。 こんな所に凝る位なら,本体にもっと注力したい,と今は考えている。 一枚板は経年変化で「ソリ」が来るので,これは集積材。 本当は合板を使いたいところだが,見かけが悪いので却下。